今から27年前の1998年8月6日に、タスクシュートの原型となるExcelファイルを作成しました。

この時点で以下の要件が盛り込まれていました。
- その日に取り組むタスクが順番に並んでいること
- それぞれのタスクに見積もり時間が設定されていること
- すべてのタスクの見積もり時間の合計が画面上部に表示されること
- 開始時刻と終了時刻を入力することで実績時間が自動算出されること
- 実績時間と見積もり時間の差異が自動算出されること
- その日の終了予定時刻(見積もり時間の合計に現在時刻を足した時刻)が画面上部に表示されること
いずれも、「こういう要件が盛り込まれているべき」という全体方針が先にあったわけではありません。
そうではなく、このExcelファイルに対して「こういうことが分かるものであってほしい」という個々の小さな希望を思いつくままに継ぎ足していった結果、上記のようになりました。
以下、小さな希望とこれを実現するための機能や項目です。
- どのタスクから取りかかればいいのか知りたい → タスクを取りかかる順番に並び替える機能
- 今日のタスクすべてを終えるのにかかる時間を知りたい → 見積もり時間の合計
- あるタスクを終えるのにかかった時間の記録を手間なく行いたい → 開始時刻と終了時刻を入力することで実績時間が自動算出される機能
- 「いつ帰れるのか」を知りたい → 終了予定時刻
このようにタスクシュートを作っていく過程は、前回の記事で言うところのマップヘイター的であったと言えます。
当時の僕の一番の希望は「安心したい」あるいは「不安をなくしたい」というものでした。
そのためには、不安に感じる要素やそもそも不安を生じさせる原因を片っ端から消していく必要があります。
すでに生じている不安については都度その場で対応する、すなわち事後対応するしかありませんが、ここにチャンスがあります。
対応の過程を記録に残しふり返ることで、今後似たような不安に直面したときに役に立つ「レシピ」を作り出すことができます。
さらには、似たような不安が生じる原因を見つけ出し、事前に手を打つことができるようになります。
事前対応できるようになるわけです。
初回は事後対応から入るしかありませんが、2回目以降は初回の記録をもとにレシピ化することで初回よりも速く正確にしかもラクに対応できるようになるでしょう。
これを続けてくと、後手に回ることなく先手を打てるようになる、すなわち事前対応ができるようにもなるはずです。
つまり、次の4つの段階を経ることになります。
- 初回の事後対応
- レシピ化
- 高速正確ラクに事後対応
- 事前対応
このような4段階の片鱗はすでに中学時代に身につけていたことに思い至りました。
身につけた場所は、学校ではなくバッティングセンター。