「記録はしているのに、それをうまく活用できていない」という声をよく耳にします。
せっかく時間をかけてログを残しているのに、それを読み返すことがない。
あるいは、読み返しても、そこから何か新しい考えや行動が生まれてこない。
その結果、「これ、意味あるのかな?」と感じてしまい、やがて記録そのものが重たくなってしまう。
そんな状態に陥ってしまう人が、意外と多いようです。
この状態を、「振り返りができないシンドローム」と名付けてみることにしました。
正直なところ、僕自身はこのシンドロームの対極にいます。
記録も振り返りも、今や“やらない方が難しい”ほどに日常に根づいています。
書かないと落ち着かないし、ふと過去のメモを読み返すことで、
- 「ああ、そうだった」「これからこうしよう」
という発見が自然と立ち上がってきます。
でも、だからこそ、ある種のギャップも感じます。
- なぜ、こんなにも「振り返りができない状態」に陥ってしまうのか?
- なぜ、自分にはそれが“当たり前”のようにできているのか?
こうした問いを手がかりに、今回はこの「シンドローム」について考えてみます。
そして、僕自身の日々の記録や振り返りの実践を紹介しながら、この状態から抜け出すヒント、あるいは陥らないための工夫についても共有できればと思います。
「振り返りができないシンドローム」とは?
このシンドロームには、いくつかの典型的な“症状”があります。
例えば、
- 日記やログアプリに記録はしているものの、一度も読み返したことがない。
- 読み返してみても、そこから次にどうすればいいか分からない。
- 「こんなこと書いてたんだ」と思うだけで、何も行動が変わらない。
- だんだん記録がマンネリ化してきて、「この作業、意味あるの?」と感じてしまう。
- いつの間にか記録するのをやめてしまい、アプリも開かなくなる。
こうした状態が続くと、記録はどんどん「使われないデータの山」になっていきます。
その山を前にして、「また見る気が起きない」「どうせ読んでも変わらない」と思ってしまう。
すると、記録自体へのモチベーションがどんどん下がっていくのです。
せっかく記録を「未来の自分のために残している」はずなのに、未来の自分がそれを全く読まない、という切ない状態。
なぜこうなってしまうのか?