懸案は“まとまった時間”では動かない──たった10分で動き出せた理由

以前、ずっと手を着けられずに先送りを重ねていた仕事がありました。

内容自体は特別に難しいというわけではありません。

むしろ、それなりに取り組み甲斐があり、進めることで手応えや達成感も得られそうなものでした。

それでも、日が経つにつれて気が重くなっていき、いつしか「懸案」になっていました。

気にしていないふりをしても、タスクシュートのどこかにその影が常にちらついている。

まるで“見て見ぬふり”をする相手のような存在です。

この懸案に取り組むには、それなりのまとまった時間が必要。

細切れの時間に少しずつ進めるのでは到底終わらない、そう思い込んでいたのです。

だからこそ、毎朝のプラン調整時に優先度の低いリピートタスクを削り、時間を確保するようにしていました。

こうして「今日こそは」と意気込んで、懸案に向かうための準備を万端に整えます。

それでも、気がつけば一日が終わり、懸案には手がつかないまま。

そんな日が、何日も続きました。

あるとき数日後に開催される「これは絶対に参加しなければ!」と思えるセミナーを知り、すぐに申し込みます。

都内で19時から開催されるそのセミナーに参加するには、移動を含めて3時間ほどのまとまった時間を確保する必要がありました。

普段なら「懸案があるから」と参加をためらっていたところですが、今回はなぜか迷いがありませんでした。

そして、セミナー当日。

それまで何日も先送りし続けていた例の懸案に、なぜか“すっと”着手することができたのです。

何が起こったのか?

以下、「“すっと”着手」までの過程を辿りながら、今後また同じような状況に陥ったときのための処方箋としてまとめてみます。

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