「完全な見通し」より「とりあえずの見通し」

ある仕事になかなか取りかかれずにいるときは、何が取りかかりを阻んでいるのでしょうか?

取りかかりを阻んでいるのは、以下のような「分からない」があるからでしょう。

  • 1.何から手を着ければいいのかが分からない
  • 2.何から手を着ければいいのかは分かるが、締め切りに間に合うかどうか分からない
  • 3.何から手を着ければいいのかは分かるが、求められている品質をクリアできるかが分からない
  • 4.何から手を着ければいいのかは分かるが、どう仕上げればいいのかが分からない

これらの共通点をひと言でまとめると、

  • 「見通し」が十分に確保できていない

ということになるでしょう。

例えば、今日初めて行く場所があったとき、乗り換え案内アプリでルートを検索することで、

  • まず、どの駅に行けばいいのかが分かる
  • 次に、どの電車に乗ればいいのかが分かる
  • 目的地までどれぐらいの時間がかかるのかが分かる

といった情報が得られます。

これらの情報が得られたとき、人は「見通しが得られた」と感じるでしょう。

「どれぐらいの時間がかかるのか」が分かれば、到着したい時刻から逆算して何時までに出発すればいいかが分かり、「どの駅に行けばいいのか」が分かれば出発できます。

仕事においても、「ルート」に関する情報がそろえば“出発”できるでしょう。

とはいえ、以下のような理由で道を阻まれることもあります。

  • 5.ほかにも優先すべき仕事があり、目の前のこの仕事に今から取りかかっていいものか決めかねている

これは、複数の「行くべき場所」がある状態です。

ただ、この状態でもまずは「見通し」を確保することから始めれば“出発”できます。

  • まず、どの「行くべき場所」に行くかを決める

ここで注意すべきは、すべての「行くべき場所」について、どういう順番でまわるかをきちんと決めるようとしない、すなわち、完全な見通しをつけようとしないことです。

完全な見通しがつけられなくても、とりあえずの見通しである「まずどこを目指せばいいか」が分かれば“出発”でき、その後のことは“移動”しながらでも考えられるからです。

とりあえずの見通しで出発するのは「見切り発車」であり、あまり良くないことのように思われるかもしれませんが、むしろ「有利」なことが多いです。

このあたりについて掘り下げてみます。

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