1998年8月にタスクシュートを使い始めた、というか作り始めたのは、
- 1.抱えているすべての仕事に目を行き届かせておきたい
- 2.それぞれの仕事を期日までに終えられる見通しを立てておきたい
- 3.毎日の仕事量を明確にし、これをこなすことで安心して退社できるようにしたい
という3つの「要望」を叶えるためでした。
以下、この要望を抱えていた当時の自分の頭の中のイメージです。
抱えている仕事はいずれも「ひよこ」であり、絶えずちょこまか動き回っているために気が抜けません。
それぞれにエサをやったり、調子が悪そうであれば様子を見たり、必要なら病院に連れていったり、など「お世話」が欠かせません。
そして、無限に「お世話」をし続けるわけにはいかないので、どこかのタイミングで「続きはまた明日」ということで「ひよこ」たちをケージに戻す必要があります。
このような状況では、ある時点における「見通し」は、その時点から時間が経つほどに現状に合わなくなり、役に立たなくなります。
一日の最初に、
- 今日はタスクAから始めて、B、C、Dの順番に片づけていこう
と決めてスタートしても、一日の終わりには
- そもそも急に依頼されたタスクZから始めることになり、CとDはできたが、Aは途中までしかできず、Bはまるまる明日に先送りになった
という結果に終わることもあるでしょう。
「タスクZ」を依頼された時点で、当初の見通しは崩壊しています。
でも、その当初の見通しがあったからこそ、CとDは何とかこなせたと言えるかもしれません。
そういう意味では、崩されるかもしれないとしても、とにかくその日の見通しを立てた上でスタートした方がいいでしょう。
すると、
- どれぐらいの精度でその日の見通しを立てればいいか
- 見通しが崩壊したときに、どう立て直せばいいか
という疑問にぶつかります。
25年前にタスクシュートを作り始めたときも、当然この疑問に向き合っていました。
ある意味、この疑問に答えるためにタスクシュートを作っていたと言ってもいいでしょう。
それぞれの問いについて、掘り下げてみます。
どれぐらいの精度でその日の見通しを立てればいいか
まず、この問いの背景には次のような懸念がありそうです。