「タスクシュートの「OS」について考える・その9」です。
9年前に佐々木正悟さんが以下のようなことを指摘していました。
電話にしても、誰かが尋ねてくるのでも、メールでも、全部、予測しきれないことがらばかりです。シミュレーションというのは、予測しきれない時にやるものです。
カーナビは、高速道路の状況を考慮しながら、到着時刻を予想します。カーナビにそれができなかった時、私たちは、道路交通状況をラジオで聞いたり、サービスエリアで「この先の道路状況がどうなっているか」をモニタで確認していたはずです。
そういうことを、週間の時間割に組み込めるかといったら、そんな事はなかったでしょう。
今でも、ないでしょう。
時間の使い方というのは、その日の、その時になってみないと、判断がつかないので、直前になったところで直後の状況をチェックする必要が、どうしたってあるのです。
タスクシュートを使い始めた当時、まさにこの「シミュレーション」というものを強く欲していたことを思い出しました。
以下、その頃の日記の記述です。
■1998/09/15(火) ○12:32~13:06 ★計画 ★今日の予定(毎日)
・ある作業が何時から開始なのかを知りたいことがある。そこで「終了予定」表示の上のセル2つに数式を入れた。この2つのセルの内容を「開始」と「終了」のセルに貼り付ければ、貼り付けた対象セルに関して、見積工数に従って開始時刻と終了時刻が自動算出される。
後半の「セル」やら「数式」のくだりは分かりづらいかと思いますので、スルーしていただいて大丈夫です。
要するに、未来に予定している特定のタスクが何時に開始できそうなのかを知りたかったわけです。
この時刻は刻々と変化します。
当然、「最新」の開始予定時刻を知りたい。
それを知るために、1998年当時は「数式の入ったセルをコピーし、知りたい対象のセルに貼り付ける」というひと手間をかける必要がありましたが、その手間をかけても惜しくないと思えるほどに貴重な情報だったのです(現代のタスクシュートにおいては常に「最新」の開始予定時刻がタスクごとに表示されるようになっています)。
なぜそれほどまでに開始時刻を知ることを欲していたのか。
それを知ることで「良いこと」があるからです。