タスクシュートは、時間をどう捉えているのか?

「時間」と聞いて、多くの人が思い浮かべるのは、時計の針が刻む等間隔の流れ、つまり「〇時から〇時まで」というような数量化された時間でしょう。

古代ギリシャでは、このような時間を「クロノス(Chronos)」と呼びました。

私たちが日常的に用いているカレンダーやスケジュール帳、時間割などは、すべてこのクロノス的な時間に基づいています。

一方、人生には時計では測れない時間があります。

  • 「まさに今が、そのときだ」と感じる瞬間
  • 「一瞬だったのに、心に深く残る出来事」
  • 「長い時間をかけたのに、何も残らなかった感覚」

こうした「質」や「意味」に満ちた時間のことを、ギリシャ語で「カイロス(Kairos)」と呼びます。

クロノスが「量としての時間」だとすれば、カイロスは「機会」や「適切なタイミング」としての時間。

すなわち、時間の“質”に関わる概念です。

たとえば、1時間という「クロノス」は等しくても、その1時間の中で何を感じ、何を考え、何に没頭したかという「カイロス」は人によってまったく異なります。

同じ1時間でも、退屈な会議と心を揺さぶられる対話では、その重みがまるで違うのです。

タスクシュートは一見、クロノスのツールです。

でも、使い続けるうちに見えてくるのは、まさにこの「カイロス」の存在です。

では、タスクシュートがどのようにして「カイロス」を捉える助けになるのか。

これについて考えてみます。

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