2019年公開の韓国映画『パラサイト』をNetflixで観ました。
いくつかの観点で強い関心を引いたので、すでに2回観ました。おそらくもう1回観ると思います。
この映画の中に「計画」という言葉が繰り返し登場します。
本作のテーマは貧富の格差であり、この「計画」の有無が格差を生み出しているようでした。
終盤付近での「貧」サイドの登場人物による次のセリフが象徴的でした。
絶対に失敗しない計画とは?
それは「絶対に失敗しない計画は何だと思う?」という問いかけから始まり、以下のように続きます。
- 無計画だ。
- ノープラン。
- 計画を立てると必ず、人生その通りにいかない。
- だから人は無計画なほうがいい。
- 計画がなければ間違いもない
- 最初から計画がなければ何が起きても関係ない。
かなり極端に走った考え方のように思えます。
でも、このセリフが語られるシーンまでの経緯を知っていれば、「確かにそうかもしれない」と納得しそうになります。
「貧」サイドから見ると、「富」サイドの人たちの成功の裏には「計画」があったからであり、
成功していない自分たちには「計画」がないからです。
従って、自分たちも「計画」をうまく立てることができれば同じように成功できる。
そのように考えて、映画の序盤からさっそく「計画」的に行動を起こし、成功を収め始めます。
ところが、予想外の出来事が起こります。
「貧」サイドの登場人物の一人が「これは計画になかったことだ」と口にします。
そこから文字通りの転落が始まり、先ほどの「絶対に失敗しない計画は何だと思う?」というシーンに行き着きます。
「計画を立てればうまくいく」は真理でしょう。
同時に、「計画を立てないほうがうまくいく」こともまた真理なのです。
計画を立てずに始めた結果うまくいかなければ、「計画を立てなかったからだ」と考えるし、
計画を立てた上で始めた結果うまくいかなければ、やはり「計画を立てたからだ」と考えるわけです。
では、どうすればいいのか?