人が何かを実行できるときというのは、
- そのタイミングで実行するのがもっとも損失が少なくて済む
と判断できるときではないかと考えています。
明確に「今やらないと損をする」という計算が働かなかったとしても、直感的に「今だ!」と思えれば実行するでしょう。
タスクシュートにおいては、そのデイリーリスト上の一番上のタスクが常に「今やらないと損をする」ものになっているとき、最高のパフォーマンスを発揮します。
これは、リニアモーターカーの推進の原理に似ているかもしれません。
地上の推進コイルに電流を流すことにより磁界(N極、S極)が発生し、車両の超電導磁石との間で、N極とS極の引き合う力と、N極どうし・S極どうしの反発する力により車両が前進します。
「損をする(かもしれない)」という強い感情が行動を力強くジャッキするのです。
とはいえ、リニアモーターカーは機械なのでこの仕組みは実に理に適っていますが、ヒトはナマモノなので、すべてのタスクが等しく「損をするかもしれない」という磁力を放っていたら、実行する側の人間は疲れてしまうでしょう。
実は、タスクシュートを使い続けていると、「損」までいかなくても「このタスクはここにあるのが自然だから」とか「このタスクの次に実行するのが自然だから」という理由で、いや、理由すら意識することなく、実行できることに気づくはずです。
これは、毎日同じ順番で取り組むことで得られる“慣性”の力を実行する力に変換しているから、と考えられます。
その意味で、タスクシュートは強烈な磁力(損をするかもしれない)と微弱な慣性(それをするのが自然)という硬軟の両方の推進力をバランス良く使い分けて、ヒトのタスク実行を後押ししてくれるツールと言えるでしょう。
タスクシュートを使う側としては、この2つの推進力があることをまずは把握しておくことが第一です。