仕事には大きく分けて次の2つの種類があると考えています。
- 「型」に沿って動く
- 「型」を作る(あるいは調整する)
前者の仕事では、誰か(自分自身を含む)が作った体系やフォーマットや手順に従って、そこから外れないように動くのですが、この「動く」を可能な限り「滑らか」に行うことを目指します。
後者の仕事では、「型」を作ることで前者の仕事が「滑らか」に行えるようになることを目指します。
例えば、「納税」という仕事があったとき、それぞれは以下のようになります。
- 前者:税法に従って帳簿をつけ、税金を算出し、納める
- 後者:税法を作る(あるいは現状に合わせて調整する)
前者の主体は納税者であり、後者の主体は国税庁でしょう。
納税者が税法に従って「滑らか」に納税を行うためには、逐一税法を参照しなくても済むくらいに実践を通してこれに習熟する必要があります(あるいは専門のスタッフを雇います)。
もし、この習熟の難易度が高い場合、例えば、例外規定が大量にあり、その都度時間と手間をかけて判断を行う必要がある場合は、納税以外の本来の仕事の遂行に支障が生じ、正しく納税を行うことが難しくなるでしょう。
一方、ルールを作る側の国税庁はその組織理念として「納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現する」と定めている通り、まさに納税者の納税に関する行動が「滑らか」に行われることを目指しているはずです。
話が大きくなってしまいましたが、誰しも仕事をするときにはこの2つの立場を行ったり来たりしていると思うのです。
- ルールに沿って動く側
- ルールを作る側
仕事が思うようにいかないときは、
- 自分で決めたルールを一部あるいは全部忘れている
- 自分で決めたルールが気づかぬうちに複雑なものになっている
という原因が考えられます。
前者であればルールに沿って動けるようにツールを導入したり、その使い方を工夫したりすることが対策になります。
後者であればルールを作る側に立って、守りやすいものに改めることが対策になります。
この2つの対策について、もう少し掘り下げてみます。