「ルビンの壺」という有名な絵があります。
黒い部分に注目すると「壺」の形が目に入ってきますが、白い部分に目を向けると「向かい合った二人の顔」が浮かび上がってくる、というもの。
「壺」が見えるとき、白い部分は「地」(じ)であり、「向かい合った二人の顔」が見えるとき、黒い部分が「地」になります。
「壺」と「向かい合った二人の顔」はそれぞれ「地」に対して「図」(ず)となります。
どちらか一方に注目しているとき、他方は「地」に溶け込んでぼやけます。
これはカメラでどちらかにフォーカスを合わせると、他方がボケて見える様子に似ています。

「壺」にピントを合わせると、「向かい合った二人の顔」はぼやけ、「向かい合った二人の顔」にピントを合わせると「壺」がぼやけるのです。
この切り替えを、タスクシュートを使っているときに頻繁に行っていることに思い至ります。
まず、タスクシュートそのものが「図」になったり「地」になったりします。
タスクシュート上で次に取りかかるタスクを確認し(タスクシュートが「図」)、そのタスクに取りかかる(タスクが「図」)ことになります。
タスクを終えてタスクシュートに戻ってくると、再びタスクシュートにピントが合います。
ここで、タスクシュート上においても「図」と「地」の2つの領域があることに気づきます。