いわゆる「プロジェクト管理ツール」を使うよりも、アウトライナーを使ったほうがプロジェクトは進めやすい、と感じています。
もちろん、ここでいう「プロジェクト」の内容にもよりますので、どんなプロジェクトにも当てはまるわけではありません。
ここでは以下のような仕事を「プロジェクト」とみなします。
- 1.明確な期限がある
- 2.完了までに2日以上を要する
- 3.自分以外の人の意思決定に影響を受ける
- 4.実行した結果が得られるまでにタイムラグがある
- 5.扱う「変数」の数が多いため記憶ではまかなえない
例:
- 来月12月7日(火)に予定しているお客さま向けセミナーを成功させる
- 今月中に10件の新規受注を獲得する
- 12月31日までに体重を○○Kg以下に落とす
- 引っ越す
いずれも、そのままタスクシュートにタスクとして登録しても、実行することはできないでしょう。
代わりにアウトライナーに項目として入力します。
そして、エンターキーを押し、すぐにタブキーを押します。
すると、プロジェクトが進み始めるのです。
どういうことか?
プロジェクトは外国語に似ている
話は変わりますが、外国語の勉強法の1つに「気が狂うほど、テープを聞く」というものがあります。
学生時代に読んだ『科学的な外国語学習法』という本で紹介されている方法です。
最初はわけのわからない音の羅列でしかなかったものが、くり返し聴き続けるうちにいくつかの単語は「聴き取れる」ようになります。
なおも聴き続けていると、「聴き取れる単語」が増えていきます。
知らない単語だったとしても、前後関係から「こういう意味じゃないかな?」という推測が立つようになるでしょう。
その単語が一つのテープの中でくり返し使われていれば、この推測の精度は高まるはずです。
一方、依然として「聴き取れない単語」は残ります。
そうなったら、この「聴き取れない単語」の部分のみを集中して聴くことで、少なくともこの単語の「音」は記憶できるでしょう。
外国語学習における「聴き取れる単語」と「聴き取れない単語」の違いは、プロジェクトにおける「すでにできていること」と「まだできていないこと」の違いと相似します。
そして、プロジェクトを進めるということは、「まだできていないこと」を「すでにできていること」に変えていくことです。
そのためには、「まだできていないこと」にのみ集中して時間を投入するために、そのプロジェクトで「すでにできていること」を明らかにする必要があります。
この作業をする上で、アウトライナーが役に立つのです。