事前に予測して計画的に進めるか、事後に対応しつつその場をしのいでいくか

以下の記事で逆算と順算について書きました。

この記事は、映画『男はつらいよ』(シリーズ全50作)の制作について、全50作の構想が完全に固まってから始まったわけではなく、とりあえず第1作から始まった、という話から始まります。

「全50作を作り上げる」というゴールから逆算して始まったのではなく、手探り的にまずは第1作を作ってみるという順算式に始まったわけです。

パート2はあってもパート3やパート4まで作られる作品はめったにありません。

シリーズを重ねるほどにマンネリ化が進行し、客離れが起き、制作の継続が難しくなりがちだからです。

とはいえ「第1作がヒットしたから続編を作ろう」という順算であれば簡単、というわけでもないでしょう。

第1作がヒットするのを待っている間に、出演キャストや制作スタッフたちはめいめい次の現場に散っているでしょうから、ヒットしてからでは彼らのスケジュールを押さえるのが難しくなってしまうからです。

つまり、第1作が公開される前からヒットを予測して、あるいはヒットするか否かにかかわらず第2作まで作ると決めて、そこから逆算して彼らのスケジュールを押さえるという動きが求められるのです。

従って、逆算を完全にゼロにして順算のみでいこうとするのではなく、ほどほどに予測しつつも、いつでも見切り発車できるように心と身体の準備を整えておく必要があります。

最近、逆算するつもりはなかったのに結果として逆算しようとしていたことに気づかされた事案がありました。

きっかけは、10月4日の夕方から10月6日の朝にかけて発生したEvernoteの障害です。

サーバの大規模な移行を実施 → 移行完了後にユーザーからの再接続リクエスト殺到 → サーバの一時停止 → 機能停止 → 再起動 → 徐々に復旧 → 完全復旧。

Evernoteは毎日のように入力、参照、編集を繰り返している、僕が仕事をする上では欠かせないサービスです。

幸い、Evernoteはローカルにデータを維持できますから、過去のデータの参照や編集は支障なく行えました。

問題は、日々発生するメモを保存できなくなったこと。

このように、普段は当たり前のようにできていたことができなくなることは、必ずしも悪いことばかりではありません。

むしろ、普段は見落としていたことに気づき、これを回収するチャンスでもあるのです。

ということで、以下の2つについて逆算と順算の視点で掘り下げてみます。

  • Evernoteを当たり前のように使い続けるあまり、見落としていたこと
  • この見落としをきっかけにEvernoteの使い方を見直したこと

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