似たような言葉に、「レビュー」と「ふり返り」があります。
「レビュー」の和訳が「ふり返り」であると解釈して、これまで特に区別せずに使ってきました。
でも、改めて考えてみると、この2つはそれぞれやっていることが違うのではないか、と思い始めました。
たとえば、タスク名には「Evernoteの前日レビュー」となっていても、実際には「ふり返り」をやっているかもしれません。
実際にやっていること、すなわち実態に合った言葉を使った方が良いと思いますので、それぞれの違いについて考えてみます。
「レビュー」と「ふり返り」の違い
まず、「レビュー」(review)ですが、もともとの意味は、
慎重[入念]な調査, 吟味; 再検討, 再調査, 見直し 復習, 見直し 『ウィズダム英和辞典』
とあります。
一方、「ふり返り」の方は、
過去の事を考える。また,回顧する。 「学生時代を―・る」 『大辞林』
とあります。
それぞれ一言でまとめるなら、
- レビュー:未来に向けて見直す
- ふり返り:過去のことを考える
と整理することができます。
あえて、恣意的な文脈を与えましたが、
- レビューが「未来を志向する」
のに対して、
- ふり返りは「過去を参照する」
という違いが感じ取れます。
そういう意味では、僕自身が日々欠かさず取り組んでいる「Evernote前日レビュー」は、「ふり返り」に近いものであり、前日の記録を参照することで、
- まだ記憶が鮮明なうちに「仕掛かり」を回収する
- メモしたまま忘れそうになっていた「取りこぼし」を回収する
といったことを目指していることに気づきます。
とはいえ、これらは当然ながら「今後に役立てるため」に行っているはずですから、「未来を志向している」ことにもなります。
「レビュー」的な側面もあるわけです。
実際のところ、記録をふり返ったときに「あれ、これは今後も続けるのかな?」という疑問に感じることがあり、この疑問は改めて「ふり返り」の時間をとってふり返ったからこそ生じるものでしょう。
「ふり返り」の時間がいっさいなかったら、すなわち文字通り前しか見ずに走り続けていたら気づかないままかもしれません。
「ふり返り」の時間を持つことで、あえて疑問が生じる余地を作っていることになります。
ということで、実際にやることは変わらないかもしれませんが、今後日々の記録をふり返るときは、
- 今やっていることは「レビュー」というよりも「ふり返り」なのだな
という意識で臨んでみようと思います。