『「超」整理法』で有名な野口悠紀雄さんのnote記事より。
▼「超」時間管理法(1) どうしたら時間をコントロールできるか?
あなたは、つぎのような経験をしたことがあるだろうか?
ということで、11個のチェック項目を挙げています。
いずれもタスクシュートを使っていればクリアできるものです。
ポイントは、記憶に頼らず、代わりに記録を足がかりに着実に仕事を進めること、です。
以下、一つひとつ検証していきます。
1.企画書作成に十分な時間をとることができず、窮地に陥った。
1.企画書の締切りまでまだ十分時間があると思っていたのだが、ふと気が付いたら、いつの間にか締め切りが数日後に迫っていた。 ところが、どうしたことか、その数日間は、キャンセルできない約束で埋まっている! しかも、その用事は、あまり重要なものではない。もっと前に気が付いていれば、企画書締め切りの後に設定できたのに。 どうしてこんなことになったのか分からないのだが、とにかく、そうなってしまった。 企画書作成に十分な時間をとることができず、窮地に陥った。
→ リピートタスクにして、毎日少しずつ進めると良いでしょう。
2.今日は、用件が異常に立て込んでいる。はたして全部こなせるだろうか?
2.今日は、用件が異常に立て込んでいる。はたして全部こなせるだろうか? 何とかこなせたとしても、注意散漫になって、ミスをする危険がある。 用事が集中している日だと漠然とは思っていたのだが、今日になるまで、事態の深刻さを十分把握していなかった。 なぜこんな事態に陥ったのか?
→ タスクシュートを続けていれば、タスクシュート上のデイリーリストはすでにリピートタスクで大半の時間が埋まっているはずです。予定を入れる際に、この現状を把握できていれば、やたらと予定を入れてしまうことを防げるはずです。
もし、断れないとしたら、リピートタスクを調整することになります。
いずれにしても、タスクシュートを使っていれば、常に自分の“時間予算”が把握できるようになります。
3.重要な書類の提出期限が数日前に過ぎてしまっていた!
3.重要な書類の提出期限が数日前に過ぎてしまっていた! 雑事の処理に追われていて、ついうっかり忘れていたのだ。
→ 毎日レビューしていればこのようなことは起こらないはずです。
4.重要な仕事を優先して処理すべきだとは知っている。しかし…
4.重要な仕事を優先して処理すべきだとは知っている。しかし、どうしても、すぐできる仕事を先に処理しがちだ。 そうこうしているうちに、重要な仕事がどんどん先送りになってしまっていた。
→ 午前中は重要な仕事のみに取り組む、と決めて、これを毎日くり返しましょう。1と関連します。
5.やらなければならない仕事があると分かってはいる。しかし…
5.やらなければならない仕事があると分かってはいる。しかし、はっきりした締め切りがあるわけではないので、なかなか始められない。 一日延ばしにしている間にますますやりにくくなり、考えるのも嫌になってしまった。
→ これも1と同じで、毎日少しずつやればOK。
6.「何か重要な用件を忘れているのではないか?」と気になって…
6.「何か重要な用件を忘れているのではないか?」と気になって、当面の仕事に集中できない。
→ 3と同じで、毎日レビューすればOK。
7.想定外の事態が生じ、作業が頓挫してしまった。
7.共同作業の詳細なスケジュールを組んでおいたのだが、メンバーの一人が突然病気になるという想定外の事態が生じ、作業が頓挫してしまった。
→ そもそも、詳細なスケジュールを先の先まで組むことはあまり意味がありません。まさにこうした想定外の事態が生じるからです。もちろん、共同作業においてはスケジュールは必要でしょう。でも、より重要なことは毎日少しずつ進めることと毎日レビューをすることです。
8.同じ時間帯に2組の来客と会う約束をしてしまった。
8.月間予定表に入れておいた約束を週予定表に入れなかったため、同じ時間帯に2組の来客と会う約束をしてしまった。 1組の方にお待ちいただき、もう1組を早めに切り上げたのだが、どうもまずいことをしてしまった。
→ デジタルカレンダーで一元化しましょう。
9.外出中に、「いまのこの時間に会社で来客と会う約束をしていたのではないか?」と心配になり…
9.外出中に、「いまのこの時間に会社で来客と会う約束をしていたのではないか?」と心配になり、いてもたってもいられなくなった。
→ 8と同じで、デジタルカレンダーで一元化しましょう。
10.この10年間、私はいったい何をしていたのだろう?
10.毎日毎日、仕事に追われている。時間がなくて、本当に忙しい。 でも、気が付いてあらためてふり返って見ると、この10年間、私はいったい何をしていたのだろう? ただ忙しい忙しいと、毎日を過ごしてしまっただけのことだったのではないか?
→ 記録を取っていれば、この問いに明確に答えられるはずです。
11.10年間で達成すべき人生の目的を手帳に書いて毎日眺めているのだが…
11.10年間で達成すべき人生の目的を手帳に書いて毎日眺めているのだが、どうも日常生活と遊離しているような気がしてならない。
→ 今日の仕事に集中しましょう。
今日の仕事を今日中に仕上げる
以下、関連記事です。
十分に能力があるのに、物事がなかなかうまく運ばない人の問題とは、たいていこれです。一度ではどうにもならないことについて、心配しすぎてしまうのです。一度に大量のことについて考えられるということ自体、有能である証拠ですが、たくさん考えれば上手に行動がとれるというものではありません。 何かまどろっこしい感じがするかもしれませんが、気が焦っても手は高速に動きません。「一度に一つのことしかできない」としても一つ何か片づくのです。特に調子が悪いときには「競争」や「賞賛」を頭から追い出して「一つのこと」に熱中するべきです。