本件、僕の中でまだ結論は出ていません。
TaskChute2(Excel版)、たすくま(iPhone版)、TaskChute Cloud(クラウド版)いずれにも、個々のタスクについて「タスク実行後のコメント」を残す機能が付いています。
前提として、タスクシュートにおける記録には定量的な記録と定性的な記録の2種類があります。
- 定量的な記録:何をいつ何分かけて行ったか(数値化できるもの)
- 定性的な記録:行ったことについての所感(数値化できないもの)
レビュー時は、定量的な記録だけを眺めても「フーン」と感じるばかりで、よほど数値的にインパクトがないと(実績時間が見積り時間よりも大幅に超過していた等)、印象に残らず、従ってレビューの時間が空しく感じられ、続きません。
そのときどきの定性的な記録が残っていれば、読み返したときに実行時の記憶が蘇り、
- 良い記録であれば「これを再現するにはどうすれば良いんだろう?」
- 悪い記録であれば「これを再発させないようにするにはどうすれば良いんだろう?」
という、それぞれに問題意識を持つことができます。
これが翌日以降の計画や実行に良い影響を与えることになります。
このように、残せば残しただけのリターンが得られる定性的な記録ですが、毎回いちいち入力するのは手間なので、慣れないうちはどうしてもスキップしがちです。
得られたはずのリターンをみすみす逃してしまい、しかもそのことに気づかない。
この機会損失を何とかしたい、という想いが僕にはあります。
だからこそ、ツールとしてのタスクシュートはタスク完了後にいちいち「タスク実行後のコメント」の入力を促すのですが、どんなリターンが得られるのかが分からない間は、「めんどくさい」ものとしてしりぞけられがちです。
これは仕方のないことです。
でも、少しでもそのリターンの価値が実感できれば「今はめんどくさいけど、後から“利息”がついて戻ってくる」という確信が持てるようになり、この「めんどくさい」をやすやすと乗り越えられるようになります。
このあたりは以下でも書いた通りです。
「記録を取る」ことに加えて、「取った記録を読み返す」こともセットにして習慣化したほうが定着しやすくなります。 言い換えれば、記録を取るばかりでこれを読み返さないのはもったいない、ということになります。
タスクシュートを使い続けるだけで、強く意識しなくても、記録に基づいた、すなわち再現性のある試行錯誤を重ねることができます。
次なるハードルは、せっかく残した「タスク実行後のコメント」を翌日までに忘れずに読み返し、これをその後の計画や実行に活かすためのふり返り(レビュー)でしょう。
タスクシュートを使うことでおのずと記録が残せるようにはなりますが、この記録を読み返して役立てる、という部分はタスクシュートはケアしてくれません。
タスクシュートにできることは、デイリーリストの先頭付近に「前日のログの読み返し」のようなリピートタスクを作っておくことでしょう。
このとき、読み返しの対象となる「前日のログ」はどこに残しておけばいいのか?
これを考えることは、次の2つの問いに向き合うことに等しいです。
- 読み返しがしやすいか?
- その後の計画や実行に活かしやすいか?
置かれた環境によって、好みによって、この2つの問いの答えは変わります。
ぜひ、ご自身でもこの2つの問いに向き合ってみてください。