「余計なこと」に時間を奪われたくないという心理

『時間クエスト』というコミックに「余計なこと」というキーワードが出てきます。

これによって分かったのは、いよいよ余計なことはできない、ってことです。

補足すると、このページの直前に以下のようなくだりがあります。

  • 入ってくるであろう「割り込み」をタスクとしてあらかじめリストに入れておく
  • 実際に「割り込み」が起きたら、この「割り込みタスク」で迎え撃つ

こうすることで、想定内の割り込みについてはノーダメージで済みます。

ダメージとは、終了予定時刻が遅れることを指します。

ただ、この「作戦」には2つの限界があります。

  • 1.起こり得る割り込みを想定できたとしても、そのすべてをリストにもれなく入れておくことはできない
  • 2.あらゆる割り込みを想定しきれない

1については、もちろん、入れること自体はできますが、非現実的なリストになってしまいます。

これは旅行の荷造りに通じます。

  • 暑くなるかもしれないので、半袖シャツと短パンとサンダルを入れておく
  • 寒くなるかもしれないので、厚手のコートとマフラーと手袋とニット帽を入れておく
  • 雨が降るかもしれないので、傘とレインコートとレインブーツを入れておく
  • 雪が降るかもしれないので、ゴーグルとスノーブーツを入れておく
  • 旅先で法事に出席するかもしれないので、礼服と革靴と数珠を入れておく

こうして、あらゆるケースを想定し、それぞれのケースに対応するためのタスクを用意しても、スーツケースには収まり切らないでしょう。

もちろん、今回の『時間クエスト』におけるシチュエーションは想定の精度が高いため、本当に起こり得るものだけに絞り込んでいたものと思われます。

それゆえ、「予定通り」に進行できているのでしょう。

でも、最後のコマには何やら不穏な空気が漂っています。

明らかに、「想定」できていなかったことが起こりそうです。

つまり、「あらゆる割り込みを想定しきれない」のです。

そうなると、残る手段は一つだけ。

  • 割り込みをいっさい想定せずに臨む

これは、ボクシングでいえば「ノーガード戦法」のように思われるかもしれません。

ボクシングの場合も、全身くまなくガードしきることはできないため、

  • 相手からの攻撃をその場でガードする
  • 相手からの攻撃をその場で交わす
  • 相手からの攻撃をその場で交わすと同時に反撃する

という、アドリブで対応するしかありません。

だからこそ、観戦している側としてはスリルを味わうことができます。

仕事においてはスリルは必要ないかもしれませんが、「相手からの攻撃」すなわち実際に割り込みが発生してから対応方法を考えるのでも遅くはない。

むしろ、割り込みにその場で対応する力を身につけた方が、割り込みを想定する力を磨こうとするよりも負けにくいと思うのです。

では、この「割り込みにその場で対応する力」を身につけるにはどうすればいいか?

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